Doll‥ ~愛を知るとき


岩場から海を眺めていた。

不思議と生臭さは感じなかった。

岩に当たって弾ける波の音が、切なく胸に響いている。


「愛波‥。」

「ん?」


少しの不安を感じて、樹の横顔を見上げた。


「ずっと、愛波の記憶が戻らなければいい‥。そう思ってた。」


太陽に煌めくコバルトブルーの海を見つめたまま、樹は話した。


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