Doll‥ ~愛を知るとき
車の中で、ずっと憂鬱だった。
それを悟られないように、明るく振る舞っていた。
オバサンの店に着いたら、別れを切り出さなきゃいけない。
その時が刻一刻と迫っていた。
暴力は今も許せないけれど、あたしも浩也を傷付けていた。
それなのに、あたしだけが幸せになるなんて、そんなことは出来ない。
歌穂には迷惑を掛けてしまうけど、今朝、あたしの気持ちを打ち明けると、彼女は頷いてくれた。
もう、樹に甘えちゃいけないから‥
インターを降り国道から海が見えて来た頃
「愛波、話があるんだ。」
樹は、路肩に車を停めた。