Doll‥ ~愛を知るとき
クリスマスイヴだった。
ベランダのガラス戸の外は、雪がちらついていた。
あの時、kissして撮った写真。
唇を重ねる二人がロケットの中に入っていた。
─ ‥ね、あたしも何か入れたいな ─
─ そうだな。今度、二人で写真撮ろうな ─
記憶を失う前の約束‥。
樹は、あたしの望みを叶えてくれていた。
切なく、甘い感情が涙を止めてくれない。
想い出に蓋をするように、あたしはロケットを閉じた。