Doll‥ ~愛を知るとき


言葉を覚えるのが早かった愛翔は、あっという間に、ひらがなを覚えた。

絵本を広げ、自分で読めるようになった。

「将来は、大臣かもねぇ。」

と、オバサンが褒めてくれるから、あたしも嬉しかった。


お腹は、そろそろ臨月だけど、ギリギリまで働くつもりでいた。

出産したら暫くは働けなくなるし、お金が必要だから‥。


工場の託児所は、生後4ヶ月から預かってくれる。

愛翔もそうだけど、幼い子を長時間預けて働くことをホントは避けたい。

だけど、離れている時間の長さよりも、一緒に過ごせる時間の大切さを分かっているから、愛情は伝わるって思ってる。


「あーくん。ママ、お仕事してくるね。」

「うん。バイバイ♪」


年明け最初の勤務日、以前のように愚図らなくなった愛翔に手を振って、あたしは職場へと向かった。


 
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