Doll‥ ~愛を知るとき
真冬の工場は、暖房を点けていても足元が冷える。
起毛の膝掛けで冷えを防止して、仕事を進めた。
妊娠後期から自転車に乗ることはやめた。
交通費は支給されるから、バスで通っている。
夕方、五時。
仕事を終えて、託児所へと愛翔を迎えに行った。
いつもなら、玄関先まで駆けて来る愛翔が来ない。
ちょっぴり心配になって、部屋の中を覗いた。
「おまえなぁ、ムカちゅくねんっ!」
同い年の男の子を、愛翔が蹴っ飛ばした姿が見えた。