Doll‥ ~愛を知るとき

そっと唇を離して、樹は赤ちゃんを見つめた。

「名前は?」

「樹が教えてくれたこと、この子に名付けたの。」

あたしも腕の中の赤ちゃんを見つめて答えた。


あたしを見て笑ってる。

その口元は樹に似ている。


「オレが教えたこと?」

「うん。」

「なに?」


『愛』と『優しさ』と『理性』

樹が教えてくれたから‥。


「愛優理、アユリっていうの。」

「愛優理か、可愛いな。」

樹はニッコリ微笑んで、赤ちゃんを抱っこした。

< 657 / 666 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop