Doll‥ ~愛を知るとき
そっと唇を離して、樹は赤ちゃんを見つめた。
「名前は?」
「樹が教えてくれたこと、この子に名付けたの。」
あたしも腕の中の赤ちゃんを見つめて答えた。
あたしを見て笑ってる。
その口元は樹に似ている。
「オレが教えたこと?」
「うん。」
「なに?」
『愛』と『優しさ』と『理性』
樹が教えてくれたから‥。
「愛優理、アユリっていうの。」
「愛優理か、可愛いな。」
樹はニッコリ微笑んで、赤ちゃんを抱っこした。