手に入れたいのはお前だけ。




「何、ため息ついてるの?」



「えっ、きゃぁぁ!?」



びっくりして椅子から落ちそうになるあたしの腕を、ガシッと掴む腕。



「あ、み、美喜ちゃん!」



「どーしたの、千澄」



茶髪のショートボブ。



きっと男の子から見てもカッコいい、姉御肌の小島 美喜(こじま みき)ちゃん。



あたしの大ー好きな友達です。



「え、ど、どうもしないよ!」



「千澄、ウソが下手。わかりやすすぎ」



「え゛!!」



そ、んなにわかりやすいかなぁ?



自分の顔をペタペタと触ってみるけど。



……わからない。



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