手に入れたいのはお前だけ。
深高くんも茂木くん並みにモテるらしいけど、冷たい瞳と声があたしは少し苦手だったんだ。
――昨日までは。
「なに聞いてたー?また例のバンド?」
「いや、別の。落ち着くんだよね」
「へぇー音楽好きだな、本当」
深高くんのヘッドホンをつけ、茂木くんが鼻歌を歌う。
そんな仕草もかっこいいな、なんて。
……こんなときに何思ってるんだか。
はぁ、とため息をつくと、上から声が降ってきた。