舞う風のように






枕もとにある刀を拾い、鞘から抜いた。


抜き身を片手に持ち鞘は腰にさす。
こういう時は、抜き身で持っていた方が何かあった時に素早く対処出来ると思った。



兄がそっと襖を開けた。
金属音の聞こえる方へ足を忍ばせて走り出す。






前を行く兄の顔は今まで見た事のないほど険しかった。

その顔に嫌な予感が募る。





嗚呼、想像したくもない未来が頭をよぎる。









父上、どうかご無事で…







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