舞う風のように
捕縛
「 寒い。」
冷たい地面から逃れるように、俺は器用に縛られた手と足を使っておき上がった。
縄を外そうと試みるものの、かなりキツく縛ってあるらしくほどく事は無理そうだ。
「…面倒臭いな。」
壁へと移動しよりかかる。
ぼんやりと天井を見上げながら、昨日の事へと思いを馳せた。
小野寺は心配しているだろうな。
あぁしくじった。油断してしまった。
土方との戦いに集中して背後を確認しなかっただなんて。
これでは、父に合わせる顔がない。