年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 翌々日、彩乃は出勤してきた。何食わぬ顔で朝会では皆に挨拶をする。細い足首、締まったウエスト。彩乃がお辞儀をすると大きく開いたカットソーの衿からレースの下着と谷間が見えた。別に不倫なんかしなくても、他にいそうだけど。

 朝会が終わり、皆が散れる。


「長谷川先輩♪」
「もう大丈夫なの、あんた」
「はいっ、カレが介抱してくれたからあ」


 揺れる胸、別に私じゃなくても挟めそうだな……。ん?


「まさかあんた」
「何ですかあ?」
「中華料理屋の店主の挟んだ?」
「辞めてください、あんな気色悪いデブ」


 仮にも顧客だろ、とは思うけど、そう吐きたい気持ちは理解した。


「あんたねえ」
「私は長谷川先輩と違って選べますし」
「私はいいの! あんた、選べる割には人のモンに手をつける訳?」


 口が滑ってしまった。でもさっきまで見下し目線で鼻を鳴らしていた彩乃の顔が一瞬キツくなった。間違いない、コイツ不倫してる。


「悪いですかあ?」
「へ??」


 彩乃は開き直りって踏ん反り返った。

< 128 / 600 >

この作品をシェア

pagetop