年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

 でも店員さんはドレスを抱えて試着室に入る。その笑顔に促され、致し方なく靴を脱ぎ上がるとカーテンを引かれた。服を脱ぐ。パニエを履く。上からドレスを被せられ、亀が甲羅から首を出すように着ると前面の鏡には私が映っていた。


「……」
「ワンサイズ上げれば着られますよ」
「は……い……」


 私のウェストの太さに負けて上がり切らなかった脇ファスナーはピンで留められ、店員さんはカーテンを開けた。その音で由也くんが振り向く。由也くんは一瞬目を見開いたあとニッコリとした。


「へ、変?」
「ううん」


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