年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「綺麗です」
「本当?」
「本当に本当」
「本当に本当に本当?」
「本当に本当に本当に本当です」
「……」


 もう一度鏡を見る。まるで別人のような自分。店員さんが髪を束ねてもいいかと尋ね、私が頷くと彼女は髪をねじり上げ、バレッタで留めた。


「アップするとこんな感じになります」
「……」


 ナルシストのつもりは無いけど自分がモデルにでもなったようだった。憧れのドレス、諦めていた細身のデザイン。言いようの無い気持ちが込み上げる。


「これにする。これがいい」
「僕もそう思います」

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