年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 しゃがんで割れた皿の破片を拾う。まるで由也くんとの関係が壊れたのを象徴しているカケラ。


「あ……」


 指先に血が滲む。その鋭利な破片で指を切ったみたいだった。


「綾香さん大丈夫?」
「うん。大丈夫。なんか痛くないや。なんでだろうね、はは、は……」


 血が滲んだ指先が滲んでいく。


「綾香さん」


 再び由也くんに手首を掴まれ引き寄せられた。


「よ、由也くん……由也くんっ! うわあああっああっ」


 私は年上なんてことを忘れて由也くんの胸の中で泣いた。








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