年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 私も首を後ろに倒して上を見た。夜空。そこには一面、星が散らばっていた。昨日ホテルのベランダから見たのとは比べものにならない。


「ひ……す、すごい!」
「でしょう? これを見せたくて。ホテルだと街灯が沢山あるから」


 星の数ほど、なんて言葉があるけど本当にそう思った。明るい星から小さな星まできっと何百何千とあるんだろう。


「状況のいい日じゃないとここまでは見られない。天気とか大気とか」
「だから急遽今夜?」
「うん」
「こんなにあるとどれがオリオン座か分からないよ」
「それは正解。今の季節は見れないよ」
「そうなんだ、へえ」

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