年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 その日も由也くんは来た。私の表情に気付いて声を掛けてくれる。私は以前から封筒が届く度に由也くんには零していた。由也くんは頷きながら話を聞いてその度に同じことを言う。


「僕、綾香さんのご実家に挨拶に行きましょうか」
「かえって心配するからいいよ」
「もし条件が良くていい方なら遠慮しないでくださいね」
「うん、ありがと。でもそれも無いし。由也くんも私に遠慮しないでね、いい人がいたらプロポーズしてよ。由也くん押しが弱いから心配」
「そうします」


 由也くんは29歳。更に貫禄をつけたと言えば贔屓目だと言われるだろうか、更に好青年になったと思う。でも相変わらず黒蜜白玉は好きで、そのギャップは微笑ましい。

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