年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
由也くんは、そうでした、と思い出したように腕時計を外した。
「うっかりしてドアと壁の間に挟んでしまいました」
「うはっ、傷が」
「ベルトの部分が副社長室のドアに引っ掛かって。ごめんなさい、綾香さんが買ってくれたのに」
金属のベルトに深い傷が出来て、軸もズレたのか斜めに曲がって一部分だけ波打つように歪んでいた。
「良かった」
「綾香さん?」
「由也くんの腕が折れなくて。きっと身代わりになってくれたんだよ」