年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 翌日出勤して鎌谷に俺様コーヒーをもらう。奴は主任に昇格してインスタントコーヒーのレベルも上がった。質がいいのか香りがいい。相変わらず俺はモテると豪語してるがカノジョはいない。


「ボンボンは結婚しねえのか?」
「うん。まだ29だし。でもそろそろ婚活するんじゃない?」
「ふうん。本当にいいのかよ」
「うん。カマが思うより穏やかなもんだよ」


 それならいい、と鎌谷は毎度ながら上から目線で返事をする。確かに鎌谷はモテない部類ではないらしい。去年だったかバレンタイン直後に誘われた鎌谷家ディナーで、こたつの上には数個のチョコが置かれていた。しかも義理っぽくない高級な包装。そのチョコを妹や私にポイ投げして食わせる。鎌谷は最低だ。鎌谷が言うにはいらないと断ったにもかかわらず、女が押し付けた、と。


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