年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

 それより怖いのは由也くんの立場だ。もし子供の存在が世間に知れたら足元を掬われたりしないだろうか。隠し子がいるなんて乳製品のクリーンなイメージとは真逆だ。由也くんの父親だって黙ってはいないだろう、ライバル会社にいる私が由也くんと付き合っていて子供までいると知れたら由也くんは勘当される。


「ダメだ、産めない……産めないよ……うわあああん! 由也くん、由也くんっ!!」


 私はわあわあ喚きながらも次の妊娠判定薬を手にトイレに向かった。今度のは青い線が出るタイプ。なけなしの尿を掛けた。結果は同じ、青い線が無情にも綺麗に出た。

 私は泣きながらも冷静に産婦人科に行かなきゃと考えてた。多分堕ろすことにはなるけど、産むにせよ堕ろすにせよ病院に行かなくちゃいけない。土曜日に行こう、まずはそれからだと覚悟した。



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