年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
経理部でお金の流れを覚えると次は営業に回された。手渡された新しい名刺には営業1課と氏名だけ。当然ながら社長御子息とか副社長とかは記載されてはいない。そして営業部長は固定の営業先ではなく新規を回れと由也くんに命じた。しかも誰も一緒に営業には付いて来てくれなかった。それも父親のサシガネだった。
そして初めての外回り、契約など取れないままの3日目、スーパーの店長に裏口から叩き出されて尻餅をついていた由也くんは私に出会った。
「……で?」
そこまでは私の頭も理解した。
「で、なんで私と結婚出来ないの?」
「うん。それはまた少し前の話になるけど」