年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

「そしたらメモだけを渡して何も言わずに出て行ってしまいました」


 メモにはこの産婦人科の名前が書かれていた。私が信頼している同期が知らせた産婦人科、調べたら場所も私のアパートに近い。ひょっとしてと思った由也くんはすぐに駆け付けた。


「赤ちゃん出来てたんですね……」
「あ、うん」


 由也くんはずっと握っていた私の手を離す。暖かかった手が急にすうっとした。温もりが消えて不安になる。由也くんは私から目を逸らして床を見た。


「鎌谷さんって男性だったんですね、仲がいいって聞いてたからてっきり女性かと」
「あ、うん。でもあいつはそんなんじゃないから」
「同期の鎌谷さんには話せて僕には話せなかったんですか」
「そういう訳じゃ……」
「随分と信頼なさってるんですね」
「……」
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