年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

 ベッドの脇の椅子に由也くんは腰掛けて、私の手をぎゅうっと握りしめた。


「ごめんね綾香さん、僕気付かなくて」
「ってかなんでなんで?? それにアザ??」


 ボンヤリとした視界の由也くんの頬には赤紫のアザが出来ていた。まだ麻酔の名残かと目を凝らす。


「鎌谷さんから聞きました」
「カマ……って由也くん、まさか」
「このくらい当然です」


 由也くんは私の手を握ったまま話し始めた。

 午後半休を取っていた鎌谷は昼過ぎにスマ乳本社に行き、受付嬢に名刺を差し出して由也くんを呼び出した。鎌谷という名前に聞き覚えのあった由也くんはアポ無しにも拘わらず会うことにした。面識のない人間を副社長室に通すのは危ないと受付嬢も由也くんも判断したのだろう、エレベーターでロビーまで下りる。鎌谷はエレベーターから現れた由也くんを見つけるなり駆け寄って、由也くんをグーで殴った。ロビーは騒然とした、来客が突然暴力を振るったのだから、しかも副社長に。
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