年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 奥さんはおめでとうございますと笑顔で言った。心なしか奥さんの顔が緩んだ気がした。二人で日替わりをオーダーすると奥さんは席から離れた。


「見せびらかしに連れてきた訳?」
「そうですけど」
「あんたね」
「先輩じゃなくて奥さんにですう」
「は??」


 彩乃は手の甲を自分に向けて眺め出した。


「私が幸せそうに結婚するのをお知らせしたかったんです」
「何それ。元不倫相手の奥さんにする必要ある?」
「誰が元って言いましたあ?」
「元って、は……はああ?? ちょっとあんたっ」


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