年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
私は思わず立ち上がった。声が大きいですう、と彩乃に笑われた。元って元じゃないって続いてるってことなんだろうか。結婚するって幻聴かと自分の脳みそを疑った。
「だって、奥さんに怪しまれたら身動き取りにくいじゃないですかあ」
「な、何、じゃあ奥さんを騙すために? ってかその前に婚約者に失礼じゃん」
彩乃は、失礼?、と鼻で笑った。
「エリートなんて奥さんは飾りぐらいにしか考えてないですよお? 頭の中は出世争いでいっぱいですう」