年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「どうしたんだよ、3回もチョップされて」
「寝不足」
「だから寝不足の理由だよ」


 鎌谷は私と鎌谷のマイマグを棚から出すとインスタントコーヒーの蓋を開け、直接振り掛けるようにマグに入れた。


「普通スプーンですくうでしょ」
「入れてもらって文句言うな。言うなら飲むな」
「言いません」


 鎌谷のインスタントコーヒーはスーパーのヤツじゃなくて専門店の高級なヤツ。それを“俺様コーヒー”と名付けて私に飲ませてくれる。黙って鎌谷の手元を見ていた。


「喧嘩したのか」
「喧嘩じゃない」
「叱られたのか」
「叱られてない」
「スカートめくりされたのか」
「スカートなんか履いてない」

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