年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

 聞くに聞けない。だって聞いたところでどうにかなることじゃない。お土産を受け取って由也くんを部屋に上げる。私は夕飯の支度をした。キビナゴの南蛮漬け、由也くんは日本酒の飲みながら南蛮漬けを摘む。綾香さんの味付け好きです、僕はいいお嫁さんをもらえて幸せです、とかなんとか言っている。さっぱりメニューが増えたのはピルの副作用のせいもあるかもしれない。由也くんもそれには気付いている。でも文句は一切言わなかった。もっとカロリーのある肉が食べたいとかしっかり味の付いたメニューがいいとかは言わなかった。
 私もご飯を食べながら由也くんとゴールデンウイークの話をした、お寺には連絡してあるとか、宿はあのペンションでいいかとか、どちらかと言えば事務的な内容だった。

< 403 / 600 >

この作品をシェア

pagetop