年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「住所変更届出しとけば1年は配達してくれるし」
「そうですか……」
珍しく彩乃はションボリとした。
「……悪かったよ、引っ越ししたの知らせなくて。皆にも言ってない。総務には事務的に届は出したけど」
「そおなんですかあ♪♪」
彩乃の突然俄然、目を輝かせた。
「えっ??」
「先輩♪ 彩乃、先輩のおはなし聞きた~い」
「……」
ああ、失敗した、墓穴を掘った。後悔先に立たず。直に店に着き、中に入る。二人でランチコースを食べることにした。軽く1杯だけとグラスワインも注文する。カツンとグラスを合わせて乾杯した。彩乃の指にはまだ真新しい結婚指輪が輝いている。