年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

「ほらよ。何してんだよ、お前は蟹か?」
「は、はい。蟹です」
「ボケたこと言ってねーで飲め」
「はい、ボケ蛸です」
「アホか」


 壁にへばり付く私に鎌谷がにじり寄り、マグを差し出した。


「ひ、ひい~っ」
「どうした長谷川、新型ウィルスにやられたか?」


 鎌谷の手が私の顔に伸びて額に触れる。


「ひっ!!」
「熱はねーな。相手が長谷川じゃ新型ウィルスも寄り付かねえか」

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