年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)


「ええ、彼女も一緒です。オーロラを見にアラスカのフェアバンクスに……」


 誰と話しているんだろう……。由也くんが私と付き合ってるのを知ってる人物……まず思い付くのはペンションのオーナー。でも話し声のトーンや雰囲気からして違う気がする。


「……そうですね、勿論、彼女はそのようなことはしてません。我が社の情報を盗むような真似は決して」
「我が社……スマ乳……??」


 我が社という単語が出た。ならオーナーではない。だってオーナーは由也くんがスマ乳御曹司だと知らないことになっているから。とすれば、由也くんと私の関係を知ってるのは……綿菓子の元彼氏しかいない。クリスマスイルミネーションで鉢合わせた真面目そうな男の子、あの子しか考えられない。由也くんは携帯を耳に当て床を見つめて頷いている。

< 538 / 600 >

この作品をシェア

pagetop