年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
多分綿菓子の元恋人と私の話をしてるんだろう。由也くんには私という彼女がいる癖に綿菓子を横取りしたと怒ってるんだろうか、と考えるのが妥当だけどそれも違う気がする。
一体、何を話しているんだろう。一般ピープルが副社長の携帯に掛けてきて経理の話じゃないだろうし、会社の話なら私を避ける筈だ。しかも由也くんの顔は強張っている。眉を寄せて俯いて。
「でも……難しいと思います」
由也くんが呟くように言った。そして一瞬、目をつむる。しばらく考え込んだあとまた呟くように言った。
「こんなに親身になってくださってありがとうございます……」
通話は切れたのか由也くんは携帯を閉じた。