年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

「由也っ、お前は分かってるのか! 楓は一番のライバル社だろう!!」


 父親は再び由也くんの胸倉を掴んだ。


「うちの会社を何だと思っているっ!? お前まで親を裏切るのかっ!!」


 父親の拳が由也くんの頬目掛けて飛んできた。でも由也くんは避けようとはしなかった。私は目をつむる。再び鈍い音が聞こえて目を開けると由也くんはよろけて床に尻餅をついていた。父親は由也くんを見下ろしながら由也くんを跨ぐようにして膝を付いた。つまり父親は馬乗りになる。


「由也っ、お前まで俺を……!!」


 父親は抵抗しない由也くんを更に数回殴り付けた。貴様……お前まで……、と呻くように呟きながら由也くんに手を挙げる。

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