年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 でもある時、カップルが出掛けると結婚出来る、というパワースポットが話題になり、つい約束してしまった。


……真冬の黄昏時、橋の上。
……オレンジ色の川面に映る鉄塔。
……徐々に夜景へと変化する風景。

 指先はかじかんで自然と手を繋ぎたくなる。

 首筋から北風が入って寒くて寄り添いたくなる。

 川面に映る夜景を見上げたくて顔を空に向ければ背の高いもやし君の顔。



『あ、綾香さん』
『由也くん』


 成り行きと言えば言葉は悪いけど、自然と唇が重なった。由也くんとの初めてのキスは冷たくてカサカサして、なんだかすごく切なかった。今思えば、由也くんはこうなることを分かってたんだと思う。

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