続・溺愛協奏曲  蓮と莉子の甘々な日々
涼くんはあたしのお腹の中の赤ちゃんがどうなったのか知っている



だから気遣ってなんとか元気づけようと色々な話をしてくれてるけど・・・・



あたしは何処か遠くで涼くんの話に耳を傾けていた



聞いているようで聞いていないっていうか・・・こんなの涼くんに申し訳ないよね




自分の不注意でこんな事態になったのに・・・・あたしは取り返しのつかないことをしてしまった



あたしは深い溜息をつくと零れそうになる涙をそっと拭うとふいに病室のドアをノックして先生が入ってきた



「莉子さん、大丈夫かい?気分はどうだ落ち着いたかな?」



「はい、ご迷惑かけて申し訳ないです」




「それで、お腹の赤ちゃんのことなんだが「もう・・・・あたしのお腹にはいないんですよね
流産・・・・・しちゃったんですよね?」




「どうしてそれを・・・・涼!お前が話したのか?」




先生は心底驚いた様子で怒りの表情を浮かべながら涼くんに問いかけた




「ち・・・・違うよ俺じゃないよ!「涼くんから聞いた訳じゃありません・・・・亡くなったおばあちゃんが夢の中で教えてくれて・・・・」




涼くんの言葉に重なるようにあたしの言葉が更に重なった



先生は何か言っていたけれどあたしは何も聞こえなくて・・・頭が真っ白で・・・




無の状態になった・・・それからあたしは何もする気になれずに病院の窓から空ばかり見ていた
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