続・溺愛協奏曲  蓮と莉子の甘々な日々
「でも、その時思ったんだよ蓮に莉子を逢せたりしたら絶対惚れるから逢わせたりしたら駄目
だってな・・・・俺は可愛い娘を極道の姐さんになんてするつもりはねえから・・・だけどそれは無意味なことだったみてえだな俺がわざわざ逢わせなくても神様はお前らの出会いを用意してくれてた・・・・」



苦笑いを浮かべグラスに入っていたビールを飲み干した



お父さんは溜息をひとつつくとあたし達二人を交互に見つめる



所々白髪が混じってきた髪



少し皺が増えたかな?毎日忙しくて気が付かなかったけど・・・



お母さんが居なくなってから頑張り続けてきたお父さん



あたしにとってお父さんはかけがえのない大事な人であるようにお父さんにとってもあたしは


大事な娘、この繋がりは他の親子の誰よりも強いのかもしれない



お母さんがいなくて寂しくないって言ったら嘘



だけどあたしにとっては何処に居るか分からないお母さんよりもお父さんの方が百倍も大事




ファザコンって言われるかもしれないけど・・・・



隣に座る蓮をそっと見つめる・・・蓮は何か考え込むようにして俯いて黙りこくったまま



あたしはこの空気にいたたまれなくなり繋いだ手をそっと放すとテーブルの上の食器を片づけ始めた


それに気付いた蓮がごちそうさんうまかった・・・とぼそっと低い声で呟く



お父さんは急にに立ち上がったかと思うと客用の布団をリビングの隣の和室に敷きに行ったようだ



蓮は黙って座ったまま腕組みをして何かをじっと考えこんでいた





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