しわくちゃになったら、会いに行きます。
第1章

紀月家のおっちょこちょい



 春の朝。


 季節の始まりが顔を出した今日。


 あたしはひとり、家の中で運動会を開催していた。




 「ねぇお姉ちゃん、あたしの靴下知らない!?」




 優雅に朝食のパンにかじりついているお姉ちゃんが恨めしい。


 ……お姉ちゃんはなにも悪くないんだけども。




 「昨日、鞄の上に置いてたじゃない」




 「あ、そっか!」


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