しわくちゃになったら、会いに行きます。


 迷子になると普段より時間を喰うせいか、いつも早めの行動を心がけることが癖になっていた。


 おじいちゃん先生も特に気にした様子がなく、ゆったりとページの指定をして黒板に向き合う。


 ふと隣を見やると、黙々とノートを取っていると思っていた大藤くんは、楽しそうに何かを描いている。




 「ね、紀月さん。見て」




 パッと顔を上げた大藤くんと、バッチリ目が合う。


 見ていたこと、バレたかな。


 ぎこちない様子で差し出された用紙を受け取ると、そこには思わず見惚れそうなイラストが描かれていた。




 「かわいい」


< 112 / 211 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop