しわくちゃになったら、会いに行きます。


 お兄ちゃんは呆れたようにため息をついたけど、あたしは気にしない。


 テレビに夢中で、ほかの事は気にならない。




 「ほんとお子ちゃまだな、朱里は」




 まだまだ子供なんだって、そんなのはここ数日で充分理解してるもの。


 彰太くんのことを考えると、ちょっと辛いから。


 しばらくあたしは、お兄ちゃんの言葉を無視してテレビに食い入った。


 お姉ちゃんが帰ってきたのは、それから数十分後、午後11時を過ぎた頃だった。


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