しわくちゃになったら、会いに行きます。


 堀泉さんを見送って、あたしとお兄ちゃんは再びリビングへ戻る。


 テレビをつけるとお笑い番組にチャンネルが合わせられていて、どっと笑いが沸き起こった。




 「そういえば朱里。さっきの般若の顔はなんだったんだ?」




 テレビに喰いついていたあたしの背後から、そんな声が降りかかった。


 お兄ちゃんはさっきのあたしを思い出したのか、可笑しそうに笑みを漏らす。


 般若だなんて、失礼な!


 それはお姉ちゃんでしょーに。




 「うーん、もういいかな。忘れちゃった!」




 テレビの向こうから聞こえる笑い声と共にあたしも声を上げて笑う。


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