しわくちゃになったら、会いに行きます。


 でも、応えるあたしも、無邪気な笑顔に悪い気はしない。


 聞かれるがままに応える。


 そのうちに気が付いたら学校の前で。


 正門の両端に設えられた桜の巨木に感嘆の声を漏らす。


 さすが、名門校。


 なにもかもが大きい。




 「やっぱり、ここ……」




 隣では、あたしとは違う意味で声を漏らす彼。


 意味深に呟いた言葉に思わず聞き返すと、少し恥ずかしそうに男の子ははにかむ。



 「ここさ、俺が行きたかった高校なんだ。名前に覚えがあったからもしやとは思ったけど」


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