しわくちゃになったら、会いに行きます。


 触れたいのに、触れられない――


 そう言ってたはずの彰太くんの手は、空を切ることなくあたしの頭を捕らえた。




 「……え?」




 頭に乗せた手で、そのままあたしを包み込む。


 困惑したまま、あたしは彼に抱きしめられた。


 ふわりと、フローラルの香りがする。


 ……暖かい。




 「どうして?」




 腕の中で問いかけたあたしに、離れた彰太くんははにかんで言う。


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