しわくちゃになったら、会いに行きます。


 シンと静まった教室に、突然携帯の着信が鳴り響いた。


 アップテンポで軽快なメロディーに、あたしは視線を彷徨わせる。


 犯人はあたしの斜め前に座る男子で、銀縁メガネ先生が睨みつけた。




 「今の携帯の持ち主、私にそれを預けなさい」




 先生の叱咤に、素直に従う彼。


 うちは携帯の持ち込みは禁止されていない。


 だからと言って大音量で音楽を流したりすれば、こんな風にお預けを喰らう。


 彼の携帯は、今日一日帰ってこない。




 「じゃ、板富くん。この問題、現代訳して」


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