しわくちゃになったら、会いに行きます。


 見えてるんだ。


 彰太くんが。


 みんなに見えてるんだ。


 付き合うようになってから、彰太くんはあたしのことを『朱里』って呼んでくれる。


 ちょっとした変化だけど、それがなんだか嬉しくて。




 「お待たせ、彰太くん」




 二人で歩いて帰る。


 今までみたいに、彰太くんが前で、あたしが後ろ。


 影も、足音も、ちゃんとある。


 コンクリートを踏みしめる音は、ちゃんと二人分。


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