しわくちゃになったら、会いに行きます。


 すると、さっきまで狼狽えてた彼は、ふっと表情を緩めて微笑む。


 笑うと可愛い。


 つられてあたしも笑う。




 「教えるよ。着いて来て」




 まぁ、なんて優しい。


 ホントに感謝です。ありがとう!




 「いい天気だねぇ」




 少し前を陽気に歩く彰太くんの足元を、後ろをついて歩きながらこっそり見やる。


 影が、なかった。


< 36 / 211 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop