しわくちゃになったら、会いに行きます。
本当なんだ。
本当に彼は、お兄ちゃんの言うとおり、死んでるんだ。
それを自覚した時、なぜか悲しくなった。
あたし、きっとこの人が好きになってる。
けれど、彼は本来年上で、もうこの世にはいない。
それがあたしは、どうしようもなく苦しかった。
「はい、無事に到着」
物思いに耽ったまま歩いたせいで、また道を記憶し損ねてしまった。
こりゃ、明日も迷子だな。
我に返ったあたしは、自然とため息を漏らす。