しわくちゃになったら、会いに行きます。
ふわ、と風が舞い上がって、桜の枝を揺らす。
風に負けた桜が舞い散る姿に、隣に立つ彰太くんの、ない影を探してしまった。
その儚さに、思わず言葉が口を突く。
「また、会える?」
視線を交わすことは、出来ないままで。
けれど、驚きの声と同時に動く気配は、確かに柔らかくて。
「うん。いいよ」
頭上から聞こえた声は、以外にも清々しくて。
一人で勝手に色々考えて照れたりなんかして、恥ずかい人だ、あたし。