SakuIGamE
なりゆきとは恐ろしいものだ。
今俺は、タキシードに身を包み、胸ポケットに拳銃を忍ばせて、とある男の動向を窺っている。

ここは権力者御用達の高級ホテル。
今宵、盛大なパーティが開かれている。
俺とソニアはカップルを装って難無く潜入に成功した。
本来、招待状がないと入れないらしいのだが、そこはソニアの手回しの賜物だ。

ふと目についたのは・・・青い制服に身を包んだ連中・・・。

「あれ・・・ケーサツ?」
「そうよ。しかもあの腕章・・・シドル部隊長率いる第4部隊ね・・・。最悪」
「え?最悪なの?じゃあ今日の計画ヤメにして、パーティ楽しま――」
グリッと脇腹に、冷たい物が押し当てられた。
「ないね。うん、そんな変更はできないよね」
と誤魔化すと、それを引っ込めてくれた。

ふうぅ、マジ気の短けー姉さんだゼ。
・・・しかし、このままだと俺は暗殺をさせられるハメになる・・・!
それだけはどーしても避けたい・・・!
いっそのこと自首しようか?
ケーサツに保護してもらうってのはどーだろう?
『あのオネーサンに脅されて殺ってましたー』みたいな。
保護は無理でもムショに入れられることによって、外敵から守られるようになる――ってまさか処刑とかされないよな!?ってか捕まったらみんなに会えなくなるからそりゃマズい!?いや、新聞にでも載れば逆に助けに来てくれるってゆう可能性も・・・・・・!
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