SakuIGamE
「ヤツがトイレに立った隙を狙うわ。それまではパーティを楽しむカップルを演じるのよ」
「いや俺、演技は苦手なんだよね・・・」
これはもう、ターゲットさんにトイレに行かないようにしてもらうしかないんじゃね???

腕を引かれて、ご馳走が並ぶテーブルに着くと、ソニアはワインのグラスを手に取った。
「・・・つか、これって何パーティなの?」
「ただの懇親会。政治家やら企業家やら・・・基本的に金持ちの集まりね。国の税金で開いてるのよ。サイテーね」
「どこの世界も似たよーなもんですね?」
テキトーに話合わしてみた。

「アンタも酔わない程度に飲んだら?」
「え。マジで?」
俺未成年だし、飲むの初めてなんですけど・・・。
ま、ゲームの世界だし、罪にはならないか。

俺がグラスを手に取ると、
「アタシ達の勝利に・・・乾杯」
ソニアが上目使いでグラスを鳴らした。
まだ勝ってないケドね・・・とか思いつつも、ほんの少しワインに口を付ける・・・。

・・・うを!?
何コレ体が熱くなったぞ!?

残りをぐいーっと飲み干すと、体が温まってふわふわしてきた・・・。

< 97 / 120 >

この作品をシェア

pagetop