それでも僕は君を離さない
「お先に。」

俺はそう言ってトレイを持ち席を立った。

中庭に面しているガラス張りの方へ目を向けた。

見覚えのあるロングヘアーですぐに奈々だとわかった。

3人で食べていた。

あとの2人はミーティングのメンバーだ。

奈々はランチタイムに誘われて断れなかったと俺は読んだ。。

俺には背を向けている彼女に気づかれずにテーブルへ向かった。

奈々の背後にぴったりと近づき声をかけた。

「今日はランチ・ミーティング?」

奈々は俺の声を聞いても微動だにしなかった。

「笹尾さん、昨日はお疲れさまです。」

俺は4人掛けの空いている席に座った。

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