それでも僕は君を離さない
どうして涙があふれたのか

私は冷静に考えたかった。

先輩の優しいひと言で

神経がぷっつりと切れてしまった。

先輩に甘えたい気持ちを懸命にこらえていたら

涙が止まらなくなってしまった。

私は大学4年の時

先輩に追いつきたくて必死だった。

明けても暮れても研究にのめり込んで

完璧なレポートと完璧な卒論を仕上げた。

それは先輩のアドバイスがあったからこそ成し遂げることができた。

その代わり私は返すものが何もなかった。

だから彼に身体を許した。

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