それでも僕は君を離さない
その夜、先輩と向き合った。

「こうして二人で会うことはもうないと思っていた。」

先輩は以前と違う感じがした。

どう違うかというと

普通に男だった。

「どうして泣いたか理由を話せばいいんですよね?」

私は話したくなかったけれど

ちゃんと説明しなくてはならない。

「その前に聞いておきたいことがある?」

「何でしょうか?」私は怪訝に思った。

「まず、卒業後の6ヶ月間一体どこで何をしていたんだ?なぜブランクがある?それを聞きたい。」

「そこからですか?」

「そうだ。」

先輩は当然だという口調だった。

私は呆れた。

そんなことはどうでもいいのにと思った。

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